娘が心室中隔欠損症と診断されました

双子の娘が生まれてすぐに心臓に穴が空いている「心室中隔欠損症」と診断されました。


心臓の穴と大きな母斑

4/2に予定通り帝王切開で双子を出産し、手術の傷の痛みに耐えながらも無事に生まれたことに安堵していました。生まれたときの体重は約2800g,約2500gと双子にしては十分に体重もあり、大きな声で元気に泣いていたので健康に生まれてくれてよかったとこのときは思っていました。

しかし出産翌日、小児科の先生から
「双子の女の子の方ですが、いくつか心臓に穴が空いています。また、左足の付け根と膝下全体に大きな母斑があります。大きな母斑がある子は脳にも母斑がある可能性があるので心臓と脳をしっかり検査するために1週間程度お子さんには入院してもらうことになります。」
とお話がありました。

心臓に穴と聞くだけでゾッとします。娘は長く生きられるだろうか、感情がうまく整理できませんでした。ショックすぎてどこか他人事のようにも感じていました。

話を聞いた時は出産後まだ子どもたちに会えていませんでしたが、幸い娘はひどい症状もなく普通に元気でいるようだったので、早く2人に会うために手術の痛みに耐えながら歩行の練習をしました。

なんとか歩けるようになり、2人に会いに行きました。

2人とも元気そうで安心しました。こんな小さい体で頑張っているんだと思うとなんとも言えない感情になりました。

娘は私が入院中はおっぱいも頑張って吸ってくれたしミルクも頑張って飲んでくれたのですが、息子よりは飲みが悪かったのが気になりました。

さらに、足にある大きな母斑は想像以上に大きく、それを見て私は凄くショックを受けました。女の子なのにこんな大きな母斑があるなんて将来苦労するのではないかと親としてはとても心配です。

母斑の話も長くなりそうなのでまた別途書こうと思います。

私が退院する日、改めて小児科の先生から話があり『心室中隔欠損症』と診断されました。

心室中隔欠損症とは

心室中隔欠損症とはどんな病気でしょうか?


心室中隔欠損症は代表的な先天性心疾患の一つで1000人に3人の割合で出生し,うち約半数は生後1年以内に自然閉鎖することが知られています.本疾患は治療を必要とする先天性心疾患の約20%とされていますが,胸部外科学会による過去4年間の先天性心疾患手術件数の全国調査でも本疾患は平均19.3%と,もっとも多い割合を占めています.

日本小児外科学会

自然に穴が閉じることがあるとのこと、穴が空いていても普通に生活できている人もいるということで、微かな希望を持っていました。
また、手術になったとしても決して難しいものではないと先生から説明されました。

一生治らないような、死んでしまうような病気でなかったことに少しだけ安堵しました。


心臓は全身に血液を送り出す「左室」と肺に血液を送り出す「右室」に分かれています。その左右の心室を分けているのが「心室中隔」と呼ばれる部分ですが、そこに穴があいている病気が「心室中隔欠損」という病気です。

東京大学医学部附属病院心臓外科・呼吸器外科

穴が空いていることで左室にある酸素いっぱいの血液が右室に流れ、酸素がない血液に混ざってしまうことで肺へ送り込まれる血液の量が多くなり、肺と心臓両方に負担がかかるそうです。その影響で、体重増加不良、哺乳不良、蒼白、発汗などの症状が出ます。

診察と治療方針

心臓の診察

診察の際は胸のレントゲン写真と心臓超音波検査で診察してもらっていました。

レントゲン写真では心臓と肺の大きさを確認していました。水分量が多いとレントゲン写真では普通の子より心臓や肺が大きく写り、心臓や肺に負担がかかっていることになるそうです。娘は心臓や肺が大きく、水分を取るために利尿剤を処方されました。朝晩ミルクと一緒に飲んでいました。

超音波検査では心臓に空いている穴を確認していました。穴の大きさは6mm程でかなり大きい方のようですが、穴の近くに穴を塞ごうとする組織ができていました。その組織のおかげで実際の穴の大きさは3mm程になっていました。穴の大きさが6mmだと即手術を提案されるところですが、この組織がうまく穴を塞いでくれるかもしれないとのことで僅かな望みにかけて手術をできるだけ伸ばす方針で先生とお話しました。もちろん、娘の状態が悪くなったり、体重が増えなくなった時はすぐに手術と言われました。

治療方針

女の子なので手術しないで済むなら越したことないと思っています。小さい身体にメスをいれると思うとすごく辛いし、一生の傷をつくってしまうことになるので可能性があるならすぐに手術をしないというのが先生と私達夫婦の方針でした。

ただ、心室中隔欠損症を持って生きるということは感染症のリスクがあるということだそうです。特にRSウィルスに感染すると重症化しやすいのでシナジスを毎月打ってもらっていました。普通の子より感染症が重症化しやすいので、もし保育園に入園するのであればやはり手術をした方が良いとのことでした。無理して手術を伸ばすほど難しい手術ではないとも言われました。

手術を延ばすことにはもちろんメリット・デメリットがあります。それをちゃんと理解して納得いく選択をすることが大事だと思っています。

  • 手術を延ばすことのメリット
    • 穴が塞がる可能性がある(手術をしなくても良くなる)
    • 身体が大きい(体重がある)方が手術のリスクが低い
    • 身体が小さい時に手術をするより傷の割合が小さくなる(大きくなった時傷が多少小さい)
  • 手術を延ばすことのデメリット
    • 心臓や肺への負担
    • 体重が増えない
    • 感染症の重症化リスクがある
    • 人見知りや手術について理解できる年齢になると怖い思いをさせてしまう

いろいろ考えてしまいますが、結局は娘の身体が一番です。

娘の症状

ミルクを飲めない

娘は生まれたときからあまりミルクを飲まない子でした。(双子ということもあってうちは完ミで育てています。)
新生児の頃はミルクを飲み始めるとすぐに寝てしまったり、口を閉じてしまったりして飲ませるのに苦労しました。

生後1ヶ月で1日のミルクの量が500〜600ml、生後6ヶ月になっても1日のトータル量は100mlくらい増える程度でした。むしろ、一気に飲める量が減り、一日中ミルクをちびちび飲んでいる状態でした。息子は健康そのもので、生後6ヶ月には1日で1000ml程ミルクを飲んでいたので明らかにミルクの量が足りないと分かっていました。色々試行錯誤した結果、寝る前や寝ている時は無意識でミルクをゴクゴク飲んでくれるので寝かしつけの時にたくさん飲ませたり、寝ている時にミルクを飲ませたりして量を稼ぎました。

先生からは体重が増えなくなったら手術をしなくてはいけなと言われていたので必死で飲ませました。

心拍が速い、汗をかきやすい

夏は特に汗をかきやすかったです。頭や首まわりは汗でベタベタで、寝汗もひどかったです。
心臓に負担がかかっているため心拍が速く、汗もかきやすいようです。

息子は全然汗をかいていなかったので、2人に適切な温度調節が難しかったです。
汗で風邪を引かないように汗をかいたら着替えたりしてなるべく気をつけました。

また、泣いたら心臓に悪いのではないかと心配してなるべく泣かせないように育てていました。少しでも泣いたら駆けつける、寝ぐずりがひどいので抱っこで寝かせるなどしていたら、これがなかなかしんどくてこの双子の子育てに限界が来てしまいました。

先生からは『普通に生活していい、泣くことは元気な証拠』と言われていたので、赤ちゃんは泣くのが仕事と思って肩の力を抜いて育てることにしました。

体重が増えない

ミルクの飲みが悪い事も原因の一つですが、肺に溜まった水分を出すために利尿剤を飲んでいたことも影響して体重が増えなくなりました。

そして、生まれた時は成長曲線内に入っていた体重は4ヶ月頃から成長曲線を下回りました。
それでも少しずつ 体重が増えているので手術はなんとか回避していました。

発達が遅い

体重は成長曲線を下回っていますが、身長は順調に成長曲線内に入っているので娘は赤ちゃんにしてはとっても細いです。
その影響か分かりませんが、寝返りは生後5ヶ月でできるようになりましたがうつ伏せでキープする力がなく、なかなか寝返りをマスターできなかったり、ずり這いも8ヶ月でやっとできるようになりました。1人座りは9ヶ月になった今でもできません。

発達を見てくれている大学病院の先生からは病気の影響で発達が遅れている可能性があるので、手術を検討した方が良いと言われるようになりました。

今後について

ここまでいろいろ書きましたが、娘はとっても元気に生活しています。

身体は細いですが、ずり這いでたくさん動きます。人見知りも発動してちゃんと脳も成長しています。人の観察がとても得意でこちらの動きを真似して言葉を出してみたり、バイバイなどもしてくれます。
親としては心臓の影響で発達が遅くなっているとは感じていません。発達も個人差がありますし、少しずつでも娘は成長しています。双子なので息子と成長スピードを比べてしまいますが寝返りやハイハイやお座りについては息子が得意だったというだけだと思っています。

娘が元気に楽しく生活できるように全力でサポートしていきたいと思っています。

病気を持っていても一生懸命生きている娘の姿を見て毎日私も元気をもらっています。そして、健康で生まれてくることがどんなに奇跡かを教えてくれた娘に本当に感謝しています。

投稿を作成しました 41

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

検索語を上に入力し、 Enter キーを押して検索します。キャンセルするには ESC を押してください。

トップに戻る